心療内科と精神科の違いとは?

心を専門に扱うクリニックとして心療内科を受診する人が近年、増えています。しかし「精神科との違いがよく分らない」という人も少なくありません。心療内科と精神科は、どちらも心に起因する症状を治療する診療科です。薬物療法や精神療法などアプローチにも似た部分は多いですが、専門分野には明確な違いがあります。心療内科は心や社会的な背景が原因で引き起こされる頭痛や吐き気、疲労感や倦怠感などの「心身症」のケアを主体とするのに対し、精神科は「統合失調症」や「うつ病」「双極性障害」などをメインに扱います。心の問題は繊細かつ複雑なので、どちらの診療科が適切か判断するのは難しく、近年は心療内科と精神科を併設する医療機関も増えています。

日本では50年前に始まった心療内科

心療内科は、海外では「心身医学科」と呼ばれ、200年ほど前にドイツで誕生しました。日本では今から約50年前、九州大学に心療内科が開設されたのが始まりとされています。現在、講座・診療科を持つのは九州大学をはじめ東京大学、東邦大学、関西医科大学、鹿児島大学の5つの医科大学で、診療科を持つ大学は近畿大学、日本大学、東北大学、東京医科歯科大学などがあります。医療機関としては1996年以降、心療内科を掲げる医療機関が増加しました。2011年の東日本大震災では、被災者の多くが心身症などに苦しめられましたが、心療内科医が患者の心に寄り添い、医療の面から復興支援に大きな役割をはたしました。現在の国内の心療内科医は約900人で、精神科医の1万3000に比べるとまだ大きな差があります。